2016-02-10 20:36 | カテゴリ:映画音楽

2009年。ニコラス・ケイジ主演。
よくある「地球滅亡モノ」に、ミステリーを混ぜたような感じ。

宇宙人に選ばれた地球人の息子を宇宙船へと送り出し、最後のシーンへ。

この時に流れるのがベートーヴェン作曲『交響曲第7番』の第2楽章だ。

地球に残された、助かるすべのない人々の、最期のとき。

主人公は老いた両親の元へ向かい、家族の絆を確かめながら滅びの時を「粛々と」待つ。

この「粛々と」という感じが、この曲によって表現される。

しかし劇中で流れ始めると、音楽がやたら物々しい。音楽の濃度に、映像の濃度が負けてる気がする。

最新のCGによって、地表が一瞬にして焼きつくされていくスケールの大きい映像で最期を締めくくるのだが、

「イマイチ」である。

印象と記憶には残るが、良い演出だとは思えなかった。
ベートーヴェンの第7番は、祝祭の音楽なのである。その第2楽章が暗くて粛々としているからといって、その部分だけ使うのは、いただけない。ベートーヴェンの短調は、常にその先の勝利の光を睨みつけながらの、一時的な苦難なのだ。

地球と運命を共にする、諦めきった人たちの慰めのためにあるのではない。

では、何の音楽が良かったか?
…そこまで言うのなら代案を出しなさいよ代案を。

と言われれば困るが、モーツァルトの『レクイエム』の「ラクリモーサ」あたりが内容的にも雰囲気的にも順当ではないだろうか。

もしそれではベタ過ぎる、というのであれば、プロコフィエフの『ヴァイオリン・ソナタ第1番』の第1楽章だろう。
あれは最も絶望的で悲痛な音楽だ。最期の家族愛のシーンには合わないかもしれないが、映画自体はSFものなので、問題あるまい。むしろ、色合い的には合っている気がする。

そしてそのほうが、視聴者的には、家族と離れ一人地球を去った息子の幸せを願える気がする。


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