2016-02-09 20:34 | カテゴリ:クラシック音楽

「半音階」と「全音音階」「減七」について触れてきました。

ここまできたら、あと一つ、触れなければなりません。

「オクタトニック」という、8音からなる音階です。

時計の文字盤では「正八角形」は描けないので、オクタトニックは辺の長さが2種類になります。

12時、1時、3時、4時、6時、7時、9時、10時という感じ。
つまり、半音間隔と全音間隔が交互に出てきます。

音名に表すと、

①ド・ド#・レ#・ミ・ファ#・ソ・ラ・シ♭
②ド#・レ・ミ・ファ・ソ・ソ#・ラ#・シ
③レ・レ#・ミ#・ファ#・ソ#・ラ・シ・ド

の三種類。
ロシアの作曲家がよく用いたもので、リムスキー=コルサコフのオペラや、スクリャービンの後期作品、ストラヴィンスキーの『ペトルーシュカ』やプロコフィエフ…などなど。

またオリヴィエ・メシアンは『我が音楽語法』において、M.T.L(移調の限られた旋法)第2番としてまとめています。

要するに、現代音楽的で、「怪しい旋法」。音の中心性も不安定です。

①〜③の8つの音は、「減七」の4つの音を2種類組み合わせた形とも言えるし、「半音階」の12音から、「減七」1種類を引き算した形、とも言えます。

「三全音」(増4度)を4種類含んでいます。

「減七」よりもさらに「どこでもドア」機能がパワーアップしていて、1つのオクタトニックで4つの調性にワープ可能ですが、たいていワープせず、オクタトニックという「異空間」をさまようことを目的にしています。

リムスキー=コルサコフのオペラでは、現実離れした異界のBGMとして。
またスクリャービンでは、「神秘性」そのものを描くため。

特にスクリャービンは、この「異空間」を、独自の羅針盤に沿って、つまり、独自の和声システムというルールに従って、神秘和音という異空間から異空間へとワープし続けます。

(詳しくは筆者の修士論文に書いたのですが、今ココでは簡単に説明できません。)

とにかく言いたいのは、歴史とともに「音階」は開発され、複雑化していったということです。

シェーンベルクをきっかけに、現代音楽作曲家は「半音階」の中から完全に均等に音を選び、旋律をつくることで、音の「中心性」という重力を打ち消しました。
「十二音技法」「セリエリズム」という手法です。

奇しくも、人間の目が地球から宇宙へと向かい、飛び出していく時期。

人類の歴史と音楽の動向は、リンクしているのかもしれません。
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