2016-02-07 11:29 | カテゴリ:クラシック音楽

前回まで、ドレミファソラシドという音階に隠された「エラー」と、それがもたらす「中心性」を見てきました。

中心音(主音)が判別しやすいと、安心感があるということです。

では、完全に点対称、線対称な構造を持つ音階では、どうなるでしょうか?

・半音階
1オクターブ内の白鍵と黒鍵の音は、全12種類です。
時計の文字盤も12種類なので、それでイメージしてみてください。

オクターブ内の音を

ド・ド#・レ・レ#・ミ・ファ・ファ#・ソ・ソ#・ラ・ラ#・シ・ド

…と全部使うと、「半音階」と呼ばれるものになります。
正十二角形なので、辺の長さは全て均等、内角も一定で、点対称かつ線対称です。

その均等性のために、調性感は逆に失われます。「中心」となる一つの音がないのです。
幻想的であり、禍々しくグロテスクでもあります。
J.S.バッハの『半音階的幻想曲とフーガ』が典型例です。

・全音音階
次に、12音を2で割って、正六角形を考えてみましょう。
正十二角形が「半音階」だったのに対し、正六角形では「全音音階」となります。

時計の文字盤の偶数だけつないだものと、奇数だけつないだものの、2種類です。

音階でいうと、

①ド・レ・ミ・ファ#・ソ#・ラ#・シ#(=ド)の循環と
②ド#・レ#・ミ#(=ファ)・ソ・ラ・シ・ド#の循環

となります。

この音階もまた、全てが等しく、点対称かつ線対称です。
それゆえ、中心となる一つの音がありません。

そして幻想的である点では「半音階」と同じですが、グロテスクさは薄れています。
神秘的で、静的で、未来へワープするような音階です。
ドビュッシーの『前奏曲集第1巻』の第2曲「帆」がその典型例です。

・減7
さらに、12音を3で割りますと、正四角形が三種類できます。
時計の文字盤で言うと、「12・3・6・9」の様な感じです。

①ド・ミ♭・ファ#・ラ
②ド#・ミ・ソ・シ♭
③レ・ファ・ラ♭・シ

の三種類です。これもまた点対称かつ線対称です。

しかしこれはもはや音階ではなく、短三度を積み重ねた「減七の和音」として使われます。
左端と右端の音程が「減七度」をなす為に、こう呼ばれます。
前回までの記事で触れてきた「増4度」2種類(上の①の場合ドファ#とミ♭ラ)の重ね合わせであるため、厳しい響きを持っています。

ベートーヴェンや、ショパン以降とても良く使われ、転調をするための「どこでもドア」のような機能を持っています。
このドアによって、それまでの音楽から調性感を引き剥がし、別の調性へとワープできます。

次回は、さらに分割していきましょう。



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